よんだほん

本の内容をすぐ忘れちゃうので、記録しておくところです。アフィリエイトやってません。念のため。

「答えのないゲーム」を楽しむ思考技術

いわゆる経営理念・企業理念のような、組織の価値観・行動規範・カルチャーを作る仕事をしているが、まさに「答えのないゲーム」の迷宮に入り込むことが多い。事業を動かしていく場合は、めざしたい価値観(目的)はすでに設定されているはずなので、そこから自ずと導き出される手法の中で、よりベターなものを選択する、という思考をたどりやすい(それでも答えがあるわけではないが)。理念づくりは、抽象度が高い上に、思索がオールジャンルに渡って焦点が絞りにくいところが事態を余計に困難にさせていると感じる。

 コンサルタント出身の筆者の思考技術を紹介する本。厚みは普通のビジネス書籍程度あるのだが、しゃべくり内容をそのまま文字起こしたような、カジュアルであり情熱的な文体でアッサリ読める程度の文量となっている。ただ、内容はかなり面白く、なぜその思考が必要かを例示を踏まえつつロジカルに説明した上で、その思考技術をクセにするための合言葉を暗記して使え!という、実践的な研修を受けたかのような印象を受ける1冊。ただし途中例示が悪いのか、理解が難しいロジックもあったので、今一度読み直したい。

 以下、覚えるべき口グセ(合言葉)。ネタバラシではあるのだが、amazonの商品紹介ページにもほぼほぼそのまま書いてあるので、たぶんいいのだろうと思う。

「答えのないゲーム」にはこの゛3ルール″

1「プロセスがセクシー」
 ⇒セクシーなプロセスから出てきた答えはセクシー。
2「2つ以上の選択肢を作り、選ぶ」
 ⇒選択肢の比較感で、゛より良い″ものを選ぶ。
3「炎上、議論が付き物」
 ⇒議論することが大前提。時には炎上しないと終われない。

ファクトから示唆=メッセージを抽出するためのキーワード

1「見たままですが」 
 ⇒とりあえずファクトをいう
2「何が言えるっけ?」
 ⇒どんな示唆(合っているかもしれないが、実際のところはわからない)がいえる?
3「それは何人中何人(が納得するもの)?」
 ⇒ロジックを聞くと「確かに」と思えるものが示唆のギリギリライン
  著者は、100人中3人が納得するものを「プラチナ示唆」と呼称
  セクシーなプロセスで出た示唆を議論でぶつけ合おう
app「にもかかわらず」
 ⇒示唆には必ず、対比がセット。
 「(常識・知識)にもかかわらず、(ファクト)ということは、(示唆)に違いない」

炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術

1A(自分の意見)とB(相手の意見)を真っ向から対立させて議論してしまうと、
 「答えのない」ゲームにおいては、「水掛け論」。
2だからB(相手の意見)を完全否定してはいけない。
3B(相手の意見)が成立する「条件」を提示して、その「条件」を否定する。

 ⇒構文としては「◯◯◯(条件)なら、賛成だが今回の条件は、▲▲なので反対」
  これ理屈はわかるのだが、肝心の「B◯条件」を具体にイメージできるかが結構難しい印象。

思考プロセス、問題解決プロセスを

1(サブ)論点を立てる。
 ⇒ex「◯◯について調べてください」・・・何がわかったら、調べたといえるのか?
  (ヌケモレなくは意識せず、重要度で考えればよい)
2ファクトから示唆を抽出する。
 ⇒調べたことから、「見たまま」⇒「何が言える?」のプロセスで。
  また、眼の前のファクトだけでなく、あわせて類似事例調査を行うとよい。
3仮説をつくる。
 ⇒重要度の高いと思う示唆をいくつか使って仮説をつくりきってみる。
  (全ての示唆に辻褄をあわせずとも良い)
4仮説を検証する。
 ⇒他の全ての示唆をぶつけてみる(ツッコミをしてみる)
  ex「そんなわけない。だって(仮説づくりに使っていない示唆)なんだから。」



 思考クセとして身につくように、何度も思い返したい。