親になり、日々様々なことを吸収していく子を見ながら日々悩ましく感じている。激動の時代において、どう子どもに向き合い親として何を伝えていくべきか。勉学については得手不得手があるので、偏差値競争をしてほしいとは全く思わないが、自らの希望するよりよい未来を掴み取れる人であってほしいと思う。(その一方で、基本的に子どもはなるように育つという楽観(諦観?)な見方をしている面もあるのだが。)
”EQ”"Social Emotional Learning"のダニエル・ゴールマンと、"システム思考"のピーター・センゲの共著。(余談だが、センゲの「学習する組織」は途中で挫折。。再チャレンジしたい)それぞれの領域をコラボレーションし、教育において3つの焦点が重要であると説いている。
◯自分自身(Inner)
・自分に気づく力(セルフ・アウェアネス):自分の思考や感情を見つめ、理解する能力。
・認知制御:反射的に行動せず、自分を理解した上で、マネジメントする力。
⇒認知制御力はやり抜く力につながるため、学業成績も良くなる。学ぶ力を高める上で、認知制御は欠かせない能力である。
◯他者(Other)
・認知的な他者理解:他者がこの世界をどう見ているかを理解し、メンタルモデルを理解する。
・感情的な他者理解:相手の感情を理解する。
・他者理解からの配慮:他者により良くなって欲しいという配慮を持つ
⇒単に他者を知るだけでは足りず、「他者のことを大切に思い、助けようと準備ができている状態」であることが重要。英語でいえば「Compassion」であるが、単なる思いやりではなく「共感を超えた叡智ある思いやり」状態。
◯外界(Outer)
・システム思考:全体を俯瞰し、社会の動的な複雑性(時間的遅れ等)を理解する。
⇒現代の地球システムの変化は、これまでの進化で人間が獲得してきた知覚では、マクロすぎるかミクロすぎ、感知できない。システムを理解しなければならない。
現代の標準的な教育は、できるかぎり細分化・断片化した分析に重きを置く「還元主義」的なものとなっている。そもそも社会システムの複雑性を理解する上では、さまざまな情報や知識の「統合」の観点が必要不可欠である。"SEL"をベースに、システム思考を組み合わせた"The Triple Focus"は、自身・他者・外界の3つの焦点から俯瞰的な想像力を高め、「よりよい意思決定を引き出す」ことができるようになるという。
また。"The Triple Focus"を子どもたちに伝えていくためには、以下の原則に基づくと良いとされる。
・子どもにとって、リアリティと理解のプロセスを重視
・子どもにとって現実感のあるテーマを設定
・子どもが自ら仮説、検証を行う
・他者とともに活動し、学び合う 助け合える関係をつくる
・常に行動と思考の両面に注意を向けさせる
・当事者性をもたせる
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実態はわかりかねるが、我が国の学校教育の現場でも、おそらく単に知識を詰め込む教育では足りないと、模索が続いているのであろうと思う。一人の親として、また次世代に対して社会を引き継ぐ責任ある大人として、子どもたちに伝えていくべきことが、まとめられていたように思う。