よんだほん

本の内容をすぐ忘れちゃうので、記録しておくところです。アフィリエイトやってません。念のため。

育児は仕事の役に立つ 「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ

 本書が執筆された目的は、いろいろあろうかと思うが、自分はあとがきのこの一文に集約されると感じた。

あえて、「育児は仕事の役に立つ」、という切り口でのお話を展開してきたのは、何よりもまず、思うように仕事ができずに後ろめたい気持ちでいる子育て世代にエールを送りたいという気持ちからです。

 自分自身の見えている世界でしか語れないのだが、自分も子育て世代のひとりとして、「仕事」と「子育て」の合間に翻弄される一人である。(今日まさに週明け早々子どもが体調を崩し、予定していた仕事のほとんどを進めることができないまま一日を終えようとしている。)
 独身時代は、もっと仕事や仕事以外の合間の活動、みたいなところに傾いたライフバランスをしていた。ようやく仕事が分かってきていろいろ世の中と自分の頭が紐づいてくるかと思えたころに「子育て」が重なり、そうした「仕事」と「仕事以外」の合間の活動みたいなところにかけられる時間が減っていった。最近、自分の人生・キャリアはこれでいいのか、と思いがちだった。
 本書では、そうした「仕事」と「子育て」を、全く関連のない別の活動と捉えず、ひとつの人生としてつながり合い、影響を与えているとしている。なんとも勇気をもらえたような気がした。

本書の大まかな要旨「育児は仕事の役に立つ」
  • 育児も「子を育てる」というゴールに向けて協働で進むものと捉えれば、仕事と同じチームで行うプロジェクトである。
  • 「協働の計画と実践」「家庭外との連携」など、積極的に他者との協働により育児を行った人は、仕事の上でのリーダーシップ能力の向上が見られる。(※育児だけで、職業能力が身につくわけではない点に留意)
  • 「家庭外との連携」を行いながら育児をすすめると、「マネジメント的役割に対する魅力」の認識を向上させるほか、自身の人格的な成長も促される。
「チーム育児」を進めるための「1ふりかえる」「2見直す」「3やってみる」

 最終章に、上記のモデルが提案されていた。とはいえ、これについては、要するにpdca的な話だと思う。ひとまず個人のレベルでざっくりいえば「ちゃんとパートナーとコミュニケーションを取るように普段から意識しときましょ」「困ったときにはちゃんと助けを呼びましょ(ヘルプシーキング思考)」ということに尽きると思う。チーム育児をするからには、一にも二にもコミュニケーションである。そういう意味では、古から言われているようなことのような気もする。(それをちゃんと研究をもって明らかにしたことに意義があるのだが。)

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 毎日チビたちに翻弄はされつつも、総じてみれば子育てはオモシロイと感じている。同時に子育て難しいなあとも思うし、子育て向いてないなあと思うこともある。とはいえ、1・2年前よりはだいぶ家庭もうまく回るようになってきた。そして子の心の成長とともに、自分自身も学び・体験させてもらえる物事の幅が広がってきていて、そう考えていくと、やはり子育ては、自分の人生経験を広げる意味で、とてもよかったと思っている。
 昨今は、結婚しない、子どももいらないという考え方がどんどんと広がりを見せていて、それはそれで選択なのでいいのだが(自分のまわりにもたくさんいるので)、そんなに子育てって捨てたもんじゃないですよ、と心の中では声高らかに叫んでいる。