- 作者:えらいてんちょう
- 発売日: 2018/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
タイトルだけで買ってみた本。
”しょぼい”という言葉遣いに疑問符がつく。とてもしょぼくなんてない。しっかりと考え抜かれていると思う。Amazonのレビューにもあったけれど「低リスクの起業術」のほうがよっぽどタイトルに沿っていると思うのだが・・・。
また、どこかこの筆者ならではのカリスマ性を感じて、全体と通じて果たしてこの”しょぼい”起業術なら誰でも生きていけるかは、最後まで確信的には思えなかった。後述する信用をつくるという考え方なんて当たり前なんだけれど、その信用をもって人を動かせる人というのはそう多くないと思うんですよ。少なくとも誰でもできることじゃない。あとがきに書かれているようなこういう生き方もありますよ、ということなら、もう少しそのあたりを深堀りしてほしかった。起業術を伝えたいのか、処世術を伝えたいのか。
ただまあ、繰り返し述べられているところの、信用構築であったり、悩むならやろうよ、というところは、木下斉さんの「稼ぐまちが地方を変える」や「地域再生入門」あたりと全く同じ主張であるので、そのとおりだと思う。
稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)
- 作者:木下 斉
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: 新書
- 作者:木下 斉
- 発売日: 2018/11/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
以下その他参考になったかな、あるいは疑問だな、という点。
・生活の資本化などは、農的な自給自足の暮らしと同じことであって、それの都市部版といったところか。
・正しいやりがい搾取という考え方は、行政マンとして考える必要がある項目だと感じた。行政が市民にお願いしていることって、まちがいなく、やりがい搾取でしかない。具体的にいえば、自治会とか。正しいやりがい搾取をするためには=自主性、自発性を発揮させるためには、ノンストレスな、居心地の良い環境をつくることが必要なのだけれど、これがたぶん難しい。特に地域となるとステークホルダー間のギャップが激しすぎる(例えば関係者の年代層とか)。
・信用が出資を生むという考え方はそうなんだけれど、民間だと確かに「信用できるかどうか」というある意味属人的あいまいな考え方でいい。じゃあ行政が出資する場合はどうすればよいのか?担当者がこの人いいと思ったから!ではすまない。どうしても数字等の評価項目を用意しなければならない。どうすればいいのだろうか?