よんだほん

本の内容をすぐ忘れちゃうので、記録しておくところです。アフィリエイトやってません。念のため。

シェアをデザインする 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場

シェアをデザインする: 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場

シェアをデザインする: 変わるコミュニティ、ビジネス、クリエイションの現場

 「シェア」に着目して、様々な実践者が自身の活動をベースに語る一冊(少し古い本ですね)。本文で語られているのは、空間的な(アーキテクチャー的な)シェアに限らない。また、基本対談形式の本なので、分かりやすく結論が書かれている本ではない。またシェアという概念が広く、なかなか一様に語れない(というか僕の理解が追いついていない)。というわけで、この記事は非常にまとまりがないです。

 シェアハウスだったり、コワーキングスペースだったりと「ゆるやかなつながり」が着目されて久しいこのごろ。この価値観、僕自身もそのとおりと思っています(今のところシェア的な活動はあんまりしてないけど)。これからの社会のエコシステムを再構築する上で、もっと広まるべき考え方だと思う。

改めての気づきとして・・・(※下線は本文で語られていたこと)

●結局なにゆえ、今シェアが着目されているのか?
①モノの溢れが当然になっている現代において、所有に対するインセンティブが減っていること。
②インターネットの発達によって、情報のシェアに関するコストが格段に安くなったこと。
③都市と郊外、家庭と仕事などの分業体制に対する違和感が顕在化しはじめたこと
(社会の変化による流動化の進行)。固定化された人生のカタチから、流動化へ。

●シェアが生む力とは何か
 人と人との共鳴や、共振を生む力がある。例えば僕が仕事で行う古典的なワークショップも、ありとあらゆる人間がフラットな関係で集まって、対立ではなく対話によって、イノベーション創発)が起きている。対立は全くイノベーションを起こさないといっても過言ではない。ただし、シェアは信頼によって成り立つとも語られていて、信頼がイノベーションを起こすことが本文ではたくさん語られている。では、信頼の形成のためには何が必要なのだろう?例えば、これもまた本文で語られているようにプロセス自体をオープン(シェア)することなのだろうか。
 あるいは、シェアをしようとすると、必ずきっと誰かが抜け駆けのようなことをすると思う(=利己的ビジネス化的な)。それが起きないシェアを広めるためにはどうすれば良いのか?僕自身は、世のあらゆるプレイヤーが「利他的に稼ぐ」ことをするようになれば、世の中めちゃくちゃよくなるんじゃないかと思っているんだけれど。果たして実現可能性ありますか?

●公共は究極のシェア
 パブリックは公”共”というだけあって、シェアの体系の一つ。ただ、現状のパブリックは、むしろシェアのような曖昧さを許されない環境になっている。でも公共って本当はグラデーショナルであって、全ての公共が万人のためではくて、使用者が限定される公共だってあり得ると語られている。行政のマーケットイン思考のなさを指摘されているように思えて、恥ずかしい。
 また行政は企業と違って破綻のリスクがないから、実験的取組に適した組織だと思うと本文では語られているけれど、全くそのとおりだと思う。今のスピード感のある社会についていくには、失敗をしながら(プロセスを民とシェアしながら?)適宜修正していくほうが正しい姿だと思う。むしろ完成版を提供してしまうと、修正の余地がなくなるのではないか。そうなると完成版が誤りだったとき、取り返しがつかない。
 だけど自分を含めてまだ多くの行政マンは、公務員に対する空気を恐れている。行政の失敗を喜んで叩く人間がいることが、パブリックにおけるイノベーションを封じ込めているんじゃないかと感じる。失敗が許される社会になれば、これまた世の中めちゃくちゃよくなるんじゃないか。しかし果たして、おカタイ行政において、どこまで曖昧さを設けられるのかは、これからの課題。また、なんでも曖昧にしていいわけではなくて、曖昧にしていいものとそうでないものを見極めないといけないから難しい。
 
 概念的な部分から、じゃあ実務に戻って行政の役割って何かと考えてみると、基本的にはやはり行政の役割は”緩和すること”なんだろうなと思います。民に自由に曖昧にやってもらっていいことはどんどん緩和すればいい。
 
 そういえば、自治会町内会だって、準公共と言われるぐらいだから、シェアのような気がする。にも関わらず本文で指摘されているように、地方の実的なコミュニティはいかに流動化するかというよりも、いかに保存するか、維持するかという文脈で語られがち。自治会町内会だって、流動化したほうがいい。乗り降り自由のコミュニティを形成したほうがイノベーションが起きて絶対よくなる。既存のカタチにはめ込もうとするから、うまくいかないんじゃないかと思います。



いろいろと思いつきで書きなぐりましたので、全くまとまりがありませんでした。

ひとまずの結論としてストック余りの現代において、新築の購入は絶対に悪手だとしか思えないので、いい中古物件あったら紹介してください。お待ちしています。