よんだほん

本の内容をすぐ忘れちゃうので、記録しておくところです。アフィリエイトやってません。念のため。

MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ

MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ

MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ

 お膝元で働いている身として、豊田社長の「生きるか死ぬか」はもちろん頭に入っていたのですが、どうにも実感を持っていなかったことを、この本を読んで反省しました。

 MaaSとは「マイカーという魅力的な移動手段と同等か、それ以上に魅力的なモビリティサービスを提供し、持続可能な社会を構築していこうという価値観やライフスタイルを創出していく概念」
 →もう少し言うと、各種ある移動手段(電車・バス・カーシェアなどなど・・・)をパッケージングして、ユーザーに提供することでマイカー以上のシームレスな移動を提供しよう!ということらしい。自動運転だとかもある意味このMaaSの1パーツにすぎない。

 MaaSが実現すれば、確かにマイカーがこれまでにもたらしてきた、負の側面を解決するかもしれない。例えば都市デザイン。マイカーありきのまちづくりは、駅前にロータリーをつくり、歩くには至難の広い道路をつくり、多くの土地を生産性の低い駐車場に充ててきてる。思えば自分も車所有者だけれど、ほとんど乗ってない。にも関わらず維持費用が年間でかなりの額を費やしている(今はローンが終わってだいぶ楽になりましたが)。マイカーって社会全体からみると全然エコじゃない。

 ところでMaaS、日本ではめちゃくちゃ遅れてるけど、世界ではどんどん進んでる。トヨタからすれば、マイカーをなくそうというムーブメントが世界中で起きているわけだから、ただ事ではない(ちなみにトヨタ自動車にとって、打ち上げの8割は海外輸出によるものなので、外国でマイカーが売れなくなるならば、それはまさに生きるか死ぬかの時代ですよね。)。

 じゃあ日本で何で遅いのかって話ですけど、やっぱり規制ガチガチなんだと思う。「やってみなはれ」のマインドがないというか。それから個人的イメージで恐縮ですが、意外と日本企業って利己主義的というか。業界のアライアンスがうまくいかないイメージ。

 でもMaaSは、今ある交通産業をまとめて、パッケージングしてユーザーに提供して、社会全体のベネフィットを向上しようという概念。民官がパブリックマインドを持って連携しないと、日本は本当に世界から遅れてしまいかねないですね。

 本については、ひとまずMaaSのコンセプトを理解するには十分な一冊かと思います。なお、事例紹介の章のみ、サービス名称等の固有名詞がたくさん出すぎてめちゃくちゃ読みづらかったです。